奈良吉野の染織工房|空蝉 -utsusemi-

Otonamiワークショップ6月のテーマは「黄色染め」

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Otonamiワークショップ6月のテーマは「基本の染料:黄色染め」

 

パッと明るくエネルギッシュなイメージを与えてくれたり、ときには優しく幸せなオーラを放つ「黄色」。その色は濃淡によって、異なる魅力を見せてくれます。

 

6月のOtonamiワークショップ  https://otonami.jp/experiences/utsusemi/ のテーマはいよいよ「基本の染料:黄色染め」。

 

 

この記事では、黄色系の色が持つイメージや、草木染めで黄色系の色に染めるときの原料をご紹介します。自然界がもたらす色の魅力をたっぷりご紹介するので、気になる方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

黄色系の色が持つイメージともたらす効果

黄色は、見た人を明るく楽しい気持ちにしてくれる、エネルギッシュなカラーです。中国では昔から、黄色は太陽の象徴とされており、悪いものを跳ね返してくれる色であると信じられています。黄色系のアイテムを身につけることで、悪い念やトラブルから守ってくれることでしょう。

 

また、集中力を高めてくれるので、何か目標に向かっているときや、大切な判断をするときにも黄色のアイテムを取り入れると心強いですね。

黄色系の草木染めは、どんな人におすすめ?

明るくフレンドリーな雰囲気に印象付けたいのであれば、黄色いアイテムを持ったり、黄色を取り入れたファッションに身を包んでみることをおすすめします。新しい仲間と出会うときに黄色を身につけていれば、気さくで朗らかな感じを演出できて、あっという間に打ち解けることができるかもしれませんよ。

 

草木染めでは原色のような明るい黄色も、柔らかい風合いの黄色も染めることができます。またやわらかい風合いの黄色系を取り入れることで、より一層親しみやすい雰囲気を残せるでしょう。

 

また人間関係のストレスを感じて気持ちが沈んでしまっている方も、黄色の大きなパワーを味方につけることで、立ち直るきっかけを得ることができますよ。お守り代わりに、ぜひ手にしてみてください。

草木染めで黄色系の色に染めるときの原料とその特徴

ここでは、草木染めで黄色系の色に染めるときの原料とその特徴をご紹介します。

 

黄色の染料には、刈安(カリヤス)、黄檗(キハダ)、欝金(ウコン)、梔子(クチナシ)、槐(エンジュ)など古代から代表的な染料として使われているものが多く、その中には生薬として広く使われているものもあります。

 

同じ黄色でも青味ががった黄色、赤みがかった黄色、蛍光性を持った黄色など、色調も用途も個性的で、藍や紅花などと重ねて萌黄色(緑)や朱華(オレンジ色)を染めるのにも使われています。

 

6月はこの様々な黄色を染めて、秋にはその黄色に藍や紅花をかけて萌黄色や朱華を染めるワークショップも行う予定ですので、是非この機会に黄色染めをマスターしていただけたらと思います!

 

黄色の染料:上から反時計回りに刈安(カリヤス)、黄檗(キハダ)、梔子(クチナシ)、欝金(ウコン)、槐(エンジュ)

 

 

刈安(カリヤス)

黄色系の色に染めるときの原料として代表的な染料が刈安です。正倉院文書にも登場する、最古の黄染めの染料で、イネ科の植物「刈安」の葉と茎を乾燥させて使用します。鮮やかな濃い黄色が染まり、堅牢度も高い。椿の灰汁やミョウバンを使ってアルミ媒染を行うことで青みがかった鮮やかな黄色、鉄媒染で水松色(上品なカーキ色)に仕上がります。


 

黄檗(キハダ)

黄檗はミカン科キハダ属の植物で、染料にする際には、表皮を一枚めくったら表れる、二枚目の内皮を使用します。アルミを使った媒染法を用いることで、やわらかい黄色に染めることができます。日光堅牢度が弱く、日に当たると色あせしやすいという特徴がありますが、黄緑色の重ね染めや紅花染めの色止めにも使われます。

槐樹(エンジュ)

槐樹は、中国からやってきたマメ科の植物で、その樹高は20mほどにもなります。中国では古来より、幸福を呼ぶ縁起の良い木とされて大切にされてきました。染色には花が咲く前の、若いつぼみのみを乾燥させて使用します。灰汁や、ミョウバンなどのアルミ媒染を行うことで、爽やかな黄色に染まります。

草木染めを黄色系に染めるときの植物

 

その他、黄色に染まる身近な染料として

梔子(クチナシ)

お正月の栗きんとんを鮮やかな黄色に仕上げる染料としてもお馴染みのクチナシ。その黄色色素はクロシンと呼ばれるカロテノイド系の水溶性色素で、食品の着色料としても広く利用されています。少し赤みのある鮮やかな黄色は古代から紅花を染め重ねて皇太子の色「朱華」を染めるのにも使われてきました。今では紅花の紅色色素と梔子の黄色色素が重なることでお互いの蛍光性を増幅させることが知られています。古代の人の色の組み合わせには深い理由があったことに驚かされます。

欝金(ウコン)

カレーの香辛料ターメリックとしてどこのキッチンにも一つはありそうな欝金。二日酔いのお薬としても有名ですね。染料としての欝金は、木綿にもよく染め付き、虫除けなどの効果もあることから、産着や肌着、手拭いとして、また、掛け軸や反物などを包む布として広く使われました。今でも陶器や着物を黄色い布で包んでいるのを目にしますが、今は残念ながら化学染料染めのものが多く、薬効は期待出ませんが昔の欝金染めの名残りと考えられます。

桑(クワ)

桑は、日本全国の山地に自生する落葉高木です。桑の葉には亜鉛などのカルシウムや食物繊維を多く含んでおり、お茶の葉としても利用されます。また5月から6月にかけては甘酸っぱくておいしい紫色の実をつけて、食品としても楽しむことができます。桑染めを行うには、細かく刻んだ桑の幹や葉の部分を使います。ミョウバンなどのアルミ媒染を行うと、どこかオレンジ色を感じる、淡い黄色になります。

玉ねぎの皮

草木染めで黄色系の色を出したいときにおすすめの、もっとも身近な材料が、玉ねぎの皮です。玉ねぎの皮は一年中集めることができ、さらに染色が簡単なので、草木染めを気軽に始めてみたい方にはおすすめですが、堅牢度は他の染料に比べて高くはありません。

まとめ

いかがでしたか。黄色系の色が持つイメージや、草木染めで黄色系の色に染めるときの原料をご紹介しました。元々がエネルギッシュなイメージのある黄色ですが、植物由来の染料を使ったアイテムを身につけることで、自然のパワーを味方に付けて、ますます元気になれそうですよね。この記事を読んで、黄色系のアイテムが気になった方は、Otonamiの6月のワークショップで是非、黄色染めの技術と知識を身につけてください。

 

6月のワークショップでは刈安(カリヤス)と黄檗(キハダ)の染めを基本として、ご希望に応じて梔子(クチナシ)、欝金(ウコン)、槐(エンジュ)、玉ねぎの皮などの染料に触れ、その特徴などもご説明します。

 

天然染料によるパワー溢れる黄色染めをぜひ体験して、あなたのものとしていただきたいと思います。

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